毎年誕生月(1日生まれの方は前月)に、
日本年金機構が送付している年金に関する資料
「ねんきん定期便」
あなたが納めた年金の情報が記載されている貴重な資料です。
『どれくらいの金額を、どれくらいの期間納めたのか?』
確認できるようになっています。
ここからあなたが将来もらえる年金をある程度把握することができます
でも、大きな問題が・・・
『どうやって見ればいいのかわからない・・・』
そうですね、ねんきん定期便には
細かい文字で色々なことが書いてあり、
専門用語も多いので
なかなか簡単に理解ができない。
ねんきん定期便を受け取った人の典型的なリアクション
「何か大事なものっぽいけど、よくわからないから取っておこう」
(そして、その後忘れ去られてしまいます・・・)
繰り返しになります。
ねんきん定期便に載っているのは、
自分の将来設計を考える上で必要不可欠な情報です。
ねんきん定期便を見ることでこういったこともわかるようになります。
✓ 年金の問題がよくニュースとかで出てくるけど、結局の所自分はどれくらいもらえるの?
✓ 自分が病気になった時や働けなくなった時にいくら国からお金がもらえるのか?
✓ 自分が死亡してしまった場合、残された家族にいくら支給されるのか?
ねんきん定期便の見方の詳細については、
日本年金機構HPの”ねんきん定期便見方ガイド”
で様式・各項目毎の説明がありますので、
ご参照下さい。
ポイントを絞って見ていきましょう!
確認したい、3つのポイント
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1.直近1年間の加入状況
直近の約1年間の加入状況を確認しましょう。
節目の年以外の50歳未満・50歳以上とも表面に記載されています。
国民年金第1号被保険者または第3号被保険者の方
国民年金第1号・第3号納付状況蘭に、
自分が意図しない内容が記載されていませんか?
厚生年金被保険者の扶養に入っている配偶者は
「3号」と記載されています。
・「未加入」・「未納」となっていませんか?
退職後、自分で手続きをして国民年金に加入する必要がある場合があります。
扶養の配偶者の手続きも必要です。
そのままにしておくと、年金受給額が減額されることになります。
また、最悪受給要件を満たさずに全く受給できないということも・・・
・免除等、申請した通りになっていますか?
厚生年金被保険者の方
・加入区分は間違いありませんか?
・標準報酬月額・標準賞与額が 事業主からの連絡通りになっていますか?
事業主からの届出にもとづいています。
額が異なる、保険料が納付されていないということは無いと思いますが・・・
定時決定として、毎年4月~6月の3か月間の平均で決定します。
決定し直された標準報酬月額は、9月から翌年8月までの各月に適用されます。
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2.これまでの加入期間
加入期間が支給要件にもなります。加入期間が要件に満たない場合、支給されないことがあります。
50歳未満
50歳以上
受給資格期間
・120月以上ありますか?
老齢基礎年金受給のための要件です。
年金加入期間合計
・(年齢ー20歳)×12月の2/3以上ありますか?
言い換えると、20歳から今までの期間の2/3以上の期間、保険料納付か免除されている。
障害年金は、この要件が重要となります。
(現在、直近1年間の納付状況での暫定措置もあります。)
遺族基礎年金は、被保険者でなくなった場合、この要件が重要となります。
・25年(300月)以上ありますか?
遺族年金は、被保険者でなくなった場合、この要件が重要となります。
例えば、個人事業主となった場合、定年退職後の場合。
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3.貰える年金額
老齢年金の受給額となります。
また、障害厚生年金や遺族厚生年金の年金額も元となる報酬比例部分の年金額となります。
50歳未満と50歳以上で記載内容が異なります。
50歳未満 これまでの加入実績に応じた年金額
【老齢基礎年金】
1か月に約16,410円の保険料を40年間納めることで、65歳から約780,000円受給できることになります。
これ以降、60歳まで保険料を納付した場合は、下記の金額になります。
(1)老齢基礎年金+(60歳―年齢)×12か月×1,625円=老齢基礎年金見込額
【老齢厚生年金】
報酬の変動があるため難しいのですが、
平均年間賞与÷12か月+平均給与=平均標準報酬月額(千円未満切り捨て)
平均標準報酬月額(千円未満切り捨て)×5.481÷1,000×(60歳―年齢)=老齢厚生年金加算分
(2)老齢厚生年金+老齢厚生年金加算分=老齢厚生年金見込額
50歳以上 これまでの加入実績に応じた年金額
現在の加入状況が60歳まで継続した場合、65歳より貰える見込額です。
【老齢基礎年金】
約780,000円が満額になります。満額となっていない場合、未加入や未納等過去の履歴を確認してみてください。
60歳以上に任意加入するという手段もあります。
【老齢厚生年金】
報酬の増減により増減します。60歳以降も厚生年金被保険者となる場合は、増額されていきます。
厚生年金基金等への加入は反映されません。
また、加給年金、振替年金も反映されていません。
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【Q&A】
Q.ねんきん定期便は、誕生月のいつ頃届きますか?
A.誕生月(1日生まれの方は前月)のだいたい20日過ぎ頃に届くと思います。
Q.ねんきん定期便は、誰に届きますか?
A.国民年金および厚生年金保険の加入者(被保険者)に郵送されてきます。
基本的に、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人全員に対し郵送されてくることになります。
Q.ねんきん定期便は、どういう形式で誰に届きますか?
A.圧着式のはがきまたは封書で届きます。
年齢によって形式や記載される内容が異なります。
Q.直近1年間とは、前年誕生月から1年間ですか?
A.誕生月の2か月前に作成し、誕生月に届くよう送付されます。
そのため、誕生月の4か月迄の情報となります。
例えば、誕生月4月は、前々年12月~前年12月の情報
Q.老齢年金の欄に厚生年金が一般とか色々ありますが何ですか?
A.厚生年金には4つの種類があります。
会社員等の一般の他、国家公務員・地方公務員・私立学校教職員がありその種類別に記載されます。
Q.50歳以上の老齢基礎年金の欄に”歳~”の欄が複数あるのは何故ですか?
A.生年月日により受給開始年齢が異なるためです。
男性昭和36年4月2日以降、女性昭和41年4月2日以降が誕生日の方は65歳からの受給となります。
Q.老齢基礎年金が満額になっていませんが、未加入・未納の記憶がありません。
節目の年以外で、全期間の年金記録情報を見ることはできませんか?
A.年金事務所にご相談下さい。
または、ねんきん定期便に記載のねんきんネットを利用すると閲覧可能です。
Q.合算対象期間とは何でしょうか?
A.齢基礎年金の受給資格期間には算入されるものの年金額の計算の基礎とはならない期間です。
詳しくは、コチラの記事をご下さい。(ねんきん定期便 合算対象期間とは?)
Q.厚生年金保険の保険料納付額は、18.82%ではないのですか?
A.労使折半となりますので、自己負担分となります。また、一部率が異なるものがあります。
Q.保険料免除の場合は、免除分保険料を納めなくても老齢基礎年金を受給できますか?
A.免除には、全額免除・4分の1免除・半額免除・4分の3免除があります。
平成21年4月以降国が半分負担となっており、残りの負担の割合分が受給できます。
(例えば、半額負担の場合は、半額負担期間分は3/4となります。)