「相続対策」というと「相続税対策」と思っていませんか?
確かに、相続税対策も相続対策の一つです。
ただ、”うちにはそんなに財産が無いから”と思い込んで、何もしなくてもよいものでしょうか?
その財産の額もそうですが、それが何でどれくらいあるか。また、相続人が誰でその人数といった、それぞれの家庭によって事情は変わってきます。また、死亡する順番によっても変わりますね。
例えば、上図の例で考えてみます。同居している自宅の名義は父。
平均寿命等で考えると、
父→母→長男という順で、相続が発生する可能性が高いと思います。
この順番だと、配偶者には住む家や財産は残る可能性があります。
もし、母が先に亡くなると、その後の父の相続時はどうでしょうか。
相続人の人数が減ることで、1人当たりの割合が多くありますね。
また、もし長男が先に亡くなると、配偶者は父母からの相続は・・・
はじめにやるべきこと
相続の揉め事(争族・争続)は、その分け方で発生することが多い。
相続財産が現金だけだとしても、法定相続分で納得する人しない人が出てくる可能性があります。介護状態で長く世話をした、お金を出した等々もありますね。
ましてや、分割しにくい不動産等の財産をどうするか。誰も同居していない状態であれば、売却や賃貸等も検討材料となりますが、誰がそれをやるか、またそもそもその需要(買い手、借り手)があるのか。
余談ですが、もうだいぶ前の制度でである筈の”家督相続”がまだまだ地域の風習?となっていて、遺留分で揉めると地域の話のネタになると心配する高齢者もいるようです。
このように、財産の多寡だけの問題ではありません。
色々と検討すべきことは多そうです。考え出すと前に進まないかもしれません。
まず考える前に、はじめるやるべきこと。
1.「人」の確認
相続人となる人の確認です。
思い込みは禁物。親が死亡すると、金融機関等の手続きで、被相続人の出生からの死亡までの全戸籍の確認があります。その時、まさか!!!ということも決して少なくないです。
相続対策では、次の次の相続まで考慮した方が良いこともあります。
上図のように、今では簡単にExcel等を使って、表にまとめることができます。
”家系図”を作ってみると全体像が一目瞭然ですね。
性別・属性に住所までいれておくとあとで便利かもしれません。
2.「財産」の確認
親のものとなるとなかなか簡単ではありませんが、預貯金・有価証券・不動産・自社株式・負債など、どういう財産があるかの確認です。名義の確認も重要です。自宅の名義が亡くなった祖父のままだとすると、父亡き後の手続きは大変な思いをすることも考えられます。
如何に確認をするかは、親子関係にもよりますね。
生命保険加入もどこの保険会社かを知らないと手続きできませんね。契約内容の確認がタイミングよく届けばよいのですが。
不動産については、素人には公示価格・固定資産税評価額・路線価など色々とあり分かりにくいですね。路線価(相続税評価額)を元に評価を行うようですが、評価の方法によって相続財産としての評価額が大幅に変わる可能性があると言われます。ここはホント専門家にお任せです。
ここまでできたら、次に対策の検討です。
少し長くなりましたので、対策についてはまたの機会とさせてもらいますが、3つの対策があります。