今お勤めの方は、
自社の退職金制度をご存知でしょうか?
社歴の浅い会社や小規模事業者は
退職金制度を設けていないところも
あります。
あくまでも退職金は、
企業独自の制度となるためです。
ただ、人手不足の現状では、
雇用確保のために制度を設けている
ところも多いと思います。
勤続年数を延ばすためには
有効だと思います。
退職金制度には、
定年を迎えて退職時に
「退職一時金」として支給するケースと
一定期間給付を行う「退職年金」
があります。
例えば、
確定給付企業年金制度
中小企業退職金共済
企業型確定拠出年金制度(企業型DC)
などがあります。
退職一時金と退職年金が
両方のところもあります。
さて、今回は、「退職一時金」の
扱いについてです。
収入があれば気になるのは税金です。
所得税及び復興特別所得税や住民税
が掛かってきます。
退職所得と一時所得
退職金は通常「退職所得」
として、長年の功労に報いるため
他の所得より優遇されます。
独自の所得控除があること、
他の所得と分ける分離課税
となっている点等があります。
勤続年数により控除額が
変わってきます。
[退職所得控除額]
勤続年数20年以下の場合、
40万円×勤続年数
勤続年数20年超の場合、
800万円+70万円×(勤続年数-20年)
退職所得=(収入金額ー退職所得控除額)×1/2
これが、一時所得として処理すると、
控除額は、一律50万円。
この50万円はほかに一時所得があれば、
それも合算してから控除されます。
また、ほかの所得と合算する際に、
上記計算で求めた一時所得の1/2に
相当する金額を合算となります。
一時所得=総収入金額ー支出金額ー控除額(50万円)
総合課税として合算の場合、一時所得×1/2
少し細かいですが、
通常、勤続年数3年以上で支給対象と
考えると
退職一時金として処理できると
税金もかなり変わっていますね。
ここまでは、
通常の知識として
漠然と皆さんもアタマにあると思います。
定年延長前と後の入社で変わってくる
近年は、就業規則等を改定をして
定年を60歳から61~65歳に延長するケースが
増えてきたと思います。
問題はココです!
今まで、60歳定年としてきており、
そのタイミングで退職一時金を支給します。
としてきた場合、
社員の生活設計上も考慮し、
仮に定年の年齢を引き上げたとしても
退職一時金としての支給は
60歳のままとすることが多いと思います。
ここで退職一時金の取り扱いが
問題になってきます。
定年を65歳に延長する前に
入社した社員に関しては、
60歳で支払われる退職一時金は、
「退職所得」で処理ができます。
が、
定年が65歳に延長された後に
入社した社員に関しては、
この限りではないということ!!!
もし、この社員に60歳で退職一時金を
支給したとすると、
一時所得で処理ということになります。
前述の通り、税金が変わってきます。
制度を見直しを図る上で
この点も留意しなくてはなりませんね。
入社年月だけでなく、
制度見直し時期とどうであったか
しっかり見る必要があります。